つばさだより 2025.03.01

【2025.3月号】つばさだよりNo.364 「後発医薬品」について

今回は、「後発医薬品」についてお話ししたいと思います。

後発医薬品とは?

 後発医薬品(ジェネリック医薬品ともいう)は、新薬(先発医薬品)と同じ有効成分を使っており、品質、効き目、安全性が同等なお薬です。
 新薬は、9~ 17年もの歳月と、数百億円以上の費用をかけて開発されるため、開発した製薬会社は、特許の出願によりその期間、そのお薬を独占的に製造・販売する権利が与えられます。しかし特許期間が過ぎると、その権利は国民の共有財産となるため、他の製薬会社から同じ有効成分を使ったお薬が製造・販売されるようになります。それが後発医薬品(ジェネリック医薬品)です。
 後発医薬品は、国の定める試験に合格し、厚生労働大臣の承認を受け、国の基準、法律に基づいて製造・販売しています。

後発医薬品と新薬は何が違うの?

 後発医薬品は新薬と同じ有効成分を同じ量含有しており、効き目も安全性も同等なお薬です。 それに対して、有効成分以外の添加剤が異なる場合があります。添加剤は、それ自体では人に対して薬理作用がなく、安全性が確認されたものだけを使用しています。
 後発医薬品の製品によっては、服用しやすいように大きさや味・香りなどを改良したものもあります。

後発医薬品は安心して服用できるの?

 後発医薬品は安いというけど、安心して服用できるのか不安や疑問のある方もいらっしゃると思います。
 先にも説明した通り、後発医薬品は開発費用が少なくてすむので、低価格で提供できるお薬です。一方で、国が定めた医療用医薬品に求められる厳しい品質基準で承認されています。法律にしたがって新薬と同様に製造管理・品質管理が厳しくチェックされています。後発医薬品はその効き目と安全性が十分に確認されているお薬ですので安心して服用していただけます。
 では、具体的にはどのような試験で確認しているのでしょうか。後発医薬品は、国で定められた下記4項目の試験を実施することで品質、効き目、安全性を保障しています。

後発医薬品はどんなメリットがあるの?

 後発医薬品は新薬よりも価格が安いということ以外に、患者さんが飲みやすいように製剤工夫されているお薬もあります。
 これは新薬が発売されてから後発医薬品が発売される間の製造技術の進歩や、製薬企業が飲みやすさを考えて製剤開発をすることがあるためです。形や大きさ、味や香りなどが異なる場合がありますが効き目に差はありません。

先発医薬品 (長期収載品※) の選定療養について

※ 同じ成分の後発医薬品がある先発医薬品

 処方せんの記載が一般名である場合、基本的に後発医薬品での調剤が推奨されており、調剤するお薬の製薬メーカーについては在庫状況等により各薬局の判断にゆだねられています。
 令和6年10月からの医薬品の自己負担の新たな仕組みとして、後発医薬品があるお薬で先発医薬品の処方を希望される場合は、特別の料金が発生することがあります。特別の料金とは、先発医薬品と後発医薬品の価格差の4分の1相当の料金のことを言います。
 例えば、先発医薬品の価格が1錠100円、後発医薬品の価格が1錠60円の場合、差額40円の4分の1である10円が、通常の1~3割の患者負担とは別に特別の料金として発生します。

 

 端数処理の関係などで特別の料金が4分の1ちょうどにならない場合もあるのでご注意ください。また、先発医薬品を処方・調剤する医療上の必要があると認められる場合等は、特別の料金は発生しません。
 ご自身のお薬で疑問やご不明な点があれば、薬局へご相談ください。

【参考文献】
日本ジェネリック製薬協会 ジェネリック医薬品とは
政府広報オンライン ジェネリック医薬品
厚生労働省 後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養

※ 栄養相談の日程は2025年です。