つばさだより 2024.11.01

【2024.11月号】つばさだよりNo.360 透析について

【透析とは?】

透析とは、正常に機能しなくなった腎臓のかわりに体内に溜まった老廃物や毒素、余分な水分をろ過する治療です。
透析には、血液透析と腹膜透析の2種類があります。 血液透析は、ダイアライザーという体外にある機械(人工腎臓)
で血液をろ過します。通院を週3回程度1回に4~5時間かかります。腹膜透析は自分の腹膜を利用してろ過します。
自宅で行うことができ通院は月に1~2回程度。夜間寝ているときに行うこともできます。

 

【透析の原因になる主な病気3つ】

①糖尿病性腎症

糖尿病では、血糖が高くなります。糖尿病自体はあまり症状がありませんが、血糖が高い状態が長く続くと、腎臓に影響が出てきます。これを糖尿病性腎症といいます。血糖が高い状態が続くと数年~10数年後より徐々にたんぱく尿が出てきますが、通常は自覚症状がありません。その後、15年~ 20年以上かけて透析を必要とする状況になっていきます。

②腎硬化症

高血圧が年単位で長く続くことによって、腎臓の内部の構造が徐々に傷んでいくのが腎硬化症です。一般的には血尿はなく、たんぱく尿はあまり出ない、または少ないと言われています。自覚症状はないため、血液検査で腎臓のはたらきを調べたり、かなり腎臓が悪くなったりしないと気づきにくい病気です。

③慢性糸球体腎炎

腎臓には糸球体(しきゅうたい)と言われる血液中の老廃物や塩分をろ過する構造があり、その糸球体の炎症によって、タンパク尿や血尿が出る病気をいいます。

【透析の原因となる病気から考える対策】

2020年のデータでは、糖尿病性腎症と腎硬化症が原因で透析を始めた方が58.2%を占めていました。この2つの病気は、それぞれ糖尿病、高血圧症という生活習慣病が原因であり、高血糖や高血圧が非常に長く続くことによって腎臓に問題が起きてくるものです。生活習慣病は治療が大切で、

〇健診を受けて、糖尿病や高血圧症があることに気づくこと
〇糖尿病や高血圧症があることがわかったら、治療によって腎臓の機能低下を防止すること
〇腎臓に影響が出ていないかについて、症状がなくとも、時々検尿や血液検査を受けて確認すること

で対策することができます。

慢性糸球体腎炎は、糖尿病や高血圧症ほど多くの人に起きる病気ではありませんが、これは検尿で発見されることが多い病気です。また、慢性糸球体腎炎だとわかれば、現在はいろいろな治療方法がありますので、それが透析開始の原因の第1位から第3位にまで減ってきた理由の一つでもあります。慢性糸球体腎炎でも、早期発見・早期治療が重要です。そういうことからすると、

〇症状がなくとも、健診などで毎年検尿を行って、異常があれば、かかりつけ医などに相談することが重要です。

【透析を考えるタイミングとは?】

腎臓病が進行し末期腎不全まで進行したタイミングで人工透析を考えます。腎臓の働きが本来の10%以下まで低下すると、自身の腎臓での体内の老廃物除去が難しくなります。老廃物が体内に蓄積すると以下のような症状が現れます。

●倦怠感
●食欲低下
●吐き気
●嘔吐
●頭痛など

透析では、これらの症状が出ないように体内の老廃物を浄化します。

【参考文献】
一般社団法人 日本透析医学会 わが国の慢性
透析療法の現況(2020年12月31日現在).
透析会誌 54 ⑿:611-657,2020