
食品添加物とは
食べ物を作ったり、保存・加工するときに使う調味料、保存料、着色料などをまとめて食品添加物といいます。食品添加物は十分に安全と認められたもののみ使用して良いようになっています。 食品添加物を含め、食品の安全性を調べる機関として、食品安全基本法に基づいて内閣府食品安全委員会が設置されています。
食品安全性に対する考え方
食べ物に使うことのできる添加物の量は、ラットやマウスなどの動物実験で食品安全委員会や国際的な機関が無害と確かめた量(無毒性量)の通常1/100の量を、毎日食べ続けても安全な量(1日摂取許容量)とします(リスク評価といいます)。さらに、この量よりずっと少なくなるように法律で使用基準が決められています(リスク管理といいます)。このように食品添加物はすべて科学的な根拠に基づきリスク評価され、リスク管理されています。
最近では動物の代わりになる実験方法や動物の数を減らす工夫もしながら調べられています。
食品添加物は、今食べている人たちにも、そして、つぎの世代の子どもたちにも影響がないように、こまかく試験されています。
医薬品添加剤(医薬品添加物も同じです) とは
ほとんどすべての医薬品にも、製剤化を容易にする、品質の安定化を図る、有用性を高めるなどの目的で、添加物は含まれています。
用途により、賦形剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、矯味剤、懸濁化剤、乳化剤、着香剤、溶解補助剤、着色剤、粘稠剤などと呼ばれます。
医薬品添加剤は「薬としての効果はなく、有効成分の治療効果を妨げない、人体に無害なこと」が条件付けられています。安定性や安全性に関する試験データなどを厚生労働省に提出して承認を受けた物質のみが、添加剤として使用されています。
ジェネリック医薬品の価格が安いのは、添加物が低品質だからという誤解をしている方もいるようですが、日本で使用できる医薬品添加剤は、一定範囲の枠の中で使用されているものであり、先発医薬品、ジェネリック医薬品もこの枠の中から適するものを選定し組み合わせて使用しています。
基本的には添加物は無害ですが、薬を飲む人の体質によってはアレルギーなどの有害反応の原因になることもあります。 令和6年10月より、国の制度改定により「長期収載品選定療養の制度」が開始します。この制度は、医薬品の自己負担の新たな仕組みとして、ジェネリック医薬品があるお薬で、先発医薬品の処方を希望される場合は、特別の料金をお支払いいただく制度です。このため、あらたにジェネリック医薬品での調剤に変更する機会もあるかと思います。変更に際し、添加物・副作用などの心配ごとは、かかりつけ薬局に相談することをお勧めいたします。
【参考文献】
●食品添加物協会
●日本ジェネリック製薬協会
●厚生労働省
●日本薬学会